秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*


――真裕サイド――


『本当に申し訳ありませんでした』


「ひっく…」


『もう少しで…助かる命をこの手で無理に絶たせてしまうところでした…』


「ふえっ…」


『本当に、申し訳ございません』


「……ああーんっ!」


「…真裕……少しは聞いてあげなさいよ…」


父様の呆れた声なんて耳に入らない。

だって…だって今、あたしの目には。

目を開けて、困ったような笑い顔であたしを見つめるかっくんの姿があるの。

泣き続けるあたしの頭を優しく撫でる手があるんだもの。


「うえー…っ」


「ばかっ! もうっ…ばか! あんた一体…どれだけの人を…!」


そう言うママも、涙で言葉にならない様子。

誰に言ったのか分からないけど…かっくんは、「…悪い」と呟いた。


「しゃべったぁぁ…! かっくんがしゃべったぁ! うあーんっ」


生きてる……本当に生きてる…!

動いてるよ。喋ってる。

…笑ってる……!


かっくんのすべてに感動して泣いてばかりのあたしを、身体が動かないかっくんは抱きしめることはできないけれど。

それ以上の安心感を、左手一つで与えてくれた。


「もう会えないと思ってたのっ…もう声も聞けないと思ってたの…! かっく…!」


「…真裕…」


そうやって……呼んでもらえるなんて思ってなかったの…!