『っ……うわーんっ! リ~~ジュ~~~ッ!』
『メイリィ~~!』
抱き合って泣き崩れた二人につられるように、ハディも花梨も涙を流し始めた。
「…っ…生きてるって…楓…ほんとに生きて…!」
「…ああ…」
「目……覚まして…!」
「ああ…」
蓮二の肩に顔を寄せて、押し殺すように泣く花梨。
そんな花梨を気遣う二人も、気のせいか光の加減か…目が潤んでいるようにも見えた。
『…ここまで来た甲斐あったじゃん』
『うんっ…そおねっ…!』
ハディの肩に手を置きながらそう声をかけたユウキ。
その表情には安堵が見られた。
『お……俺こういう夢をさ…。今までに何回も見たんだよ。また…とか言わねーよな…?』
『さあな…。そうかもしれねェな』
それでもいい。
それでもいいから、それならもう一生覚めないでくれ。
あんな思いはもうしたくない。
真裕のあんな涙ももう見たくない。
メイリーやリジュ達だって……どれだけ泣いてきたことか。
頼むぜ…楓よ…。
楓達のいる病室をじっと見つめて、中から誰かしら出てくるのをひたすら待った。
でももう嫌じゃない。
この待つ時間は……とてもじれったいが、嫌なものではなかった。

