秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*


『っ……うわーんっ! リ~~ジュ~~~ッ!』


『メイリィ~~!』


抱き合って泣き崩れた二人につられるように、ハディも花梨も涙を流し始めた。


「…っ…生きてるって…楓…ほんとに生きて…!」


「…ああ…」


「目……覚まして…!」


「ああ…」


蓮二の肩に顔を寄せて、押し殺すように泣く花梨。

そんな花梨を気遣う二人も、気のせいか光の加減か…目が潤んでいるようにも見えた。


『…ここまで来た甲斐あったじゃん』


『うんっ…そおねっ…!』


ハディの肩に手を置きながらそう声をかけたユウキ。

その表情には安堵が見られた。


『お……俺こういう夢をさ…。今までに何回も見たんだよ。また…とか言わねーよな…?』


『さあな…。そうかもしれねェな』


それでもいい。

それでもいいから、それならもう一生覚めないでくれ。

あんな思いはもうしたくない。

真裕のあんな涙ももう見たくない。

メイリーやリジュ達だって……どれだけ泣いてきたことか。


頼むぜ…楓よ…。


楓達のいる病室をじっと見つめて、中から誰かしら出てくるのをひたすら待った。


でももう嫌じゃない。

この待つ時間は……とてもじれったいが、嫌なものではなかった。