秘密のMelo♪y⑥*イギリス編*


呟きながらも、ごそごそとなにかしている。

その間も真裕が楓から離れることはなく、相変わらず泣き続けていた。


『う…そ…』


『カエデ…?』


生きている……本当に。

本当に生きている…?


『信じられない……』


ぽつりと呟く医者の言葉は、この場の人間みんなの心そのもの。


実は夢でしたとかいうオチはいらねェぞおい…。

本当に…本当だろうな…。


『す、すみませんが、親族の方以外はご退室を…』


あたふたしながらもそう言われ、俺達は追い出された。

唖然としている間の出来事で、本当にあっという間だった。



『……』

『……』

「だ……誰かこいつを十発くらい殴ってくれない…?」

「お前真顔でなにゆうてんねんΣ」


―ベキッ


「痛いな!? お前もホンマに殴るなや!」

「夢じゃないのか…」

「どんだけベタな確認やねんΣそしてそれを人でしなや!」


こんな状況でも漫才ができるこの三人はすごいと思う。

しかもそれを本気でやっているんだからな。


『ね…さっき、動いてたわよね? カエデの手…動いてたわよね…?』


『うん…っ、うんっ…!』


『マヒロの頭……撫でてたわ…』


『っ…うん…!』


『いつも…みたいに…!』