『えーてかどうでもいいけどあたしのかっくんになんか用?』


『どうでもいい…。おとおさんのことどうでもいい…』


『……俺に用です?』


『あ、そうそう。そうだった』


『?』


『ちょっと行こうか! ……パリ❤』


『あらいってらっしゃ……ああ!?』


『え"…』



―ひゅんっ



『きゃああああ~~っ、あ、あなたあぁっ。…………ふう。頑張ってね~❤』





…というわけでしてね。

馬鹿親……ごほん。おとおさまに誘拐……ごほん。連れて行かれてしまったのよ。


「…最後のほう色々おかしいだろ」


「もう~いつ帰ってくるの?」


「いや、まだパリにも着いてないんじゃないのか?」


てーかなんでパリ?

ここバンクーバーですよ?

いきなり連れてく普通?


「…あ、普通じゃないのが父様か」


「なんだその『当たり前のことに気付いた』みたいな顔は」


あーあ…。

きっと何日か帰ってこないわね。

むう。つまんない。