「ふっ……」


誰だよ。

こいつと違って大人…とか。

んなこと言ってたのは。


…いや、逆だな。


誰だよバカみてぇにイラッとしてんのは。


「かっくーんアイス食べてもいい?」


「ダメ」


「えーなんで?」


「体冷やしていいわけねぇだろ」


「…むう」


…本当はアイスを食べちゃダメだとは言われていない。

というか、悪阻で何も食べられなかったときさっぱりしたアイスを実際食べてたしな。

まあ…体を冷やしちゃいけないというのはある。

そりゃ確かにある。

まんざら…うそでもない…と思う。


「しょうがないっか…ね、琥珀。赤ちゃんのためなんだよ」


「く?」


「きゃは可愛い❤」


独り言のように呟いて一瞬自分の腹に手を当てた真裕を見て、騙したような罪悪感がこみあげたけど……無理やり振り払った。


「…あれならいいよ」


「ほんと!?」


「ああ…」


「やたーっ! 琥珀も食べる?」


「跳ねるなΣ買ってくるから待ってな」