ともかく、こうして僕達はイギリスに来た。

混乱してしまいそうだけど、なんとか受け止めようと思う。


やっぱり…唯一の友達のことだしね。

まおちゃんと楓には、なんとしても幸せになってほしい。


味方がいるってのはだいぶ違うからね。

シュン達も含めて…みんな、彼らの力になれたらいいと思っている。



今回、彼女は傷つきすぎたからな―…。



「私はここに残るよ。真裕がいるからね」


そう言ったまおパパを残して、僕らはその先生の自宅へ案内された。


『はあ…。なんか、俺ら二ヶ月一度も家に帰ってねーよな』


『そういえばそうね…』


『あたし実は、実家こっちにあるのよね』


『そうなの!?』



…楓のことはショックだった。

みんな同じだろう。


でも信じていた。

僕のガラじゃないけど、そうするしかないから。


楓のことだからけろっと起きて、「なにしてんだお前ら…」とかって、うざそうに言うんだよ。

その姿が目に浮かぶようだから。


我々は、ただ、彼らの絆というものを信じて、奇跡を待つしかなかった。




その希望も……すぐに打ち砕かれようとは。

誰も思っていなかったからね…。