「あーあ…着いちゃったよ。お義母さまにはなんて言うの?」


「俺が言うとぶっ飛ばされるから、お前代わりに言ってくんねぇ?」


「言わねぇよ。あたしに理由も言わないのに」


「……」


当然でしょうが。

教えてくんないんだから助けてあげない。


「ね、早く入ろうよ」


「ハア…」


かっくんは自宅だから当然鍵を持っている。

とりあえずチャイムを鳴らして、鍵を開けて入った。


「楓ー?」


「こんにちはーママ」


「あらぁまおちゃん!」


パタパタと出てきたママは、あたしに気付くとパッと笑顔になった。


「どーお? 調子は! まあ上がって上がって」


「お邪魔しますぅ❤」


途端にまあ、かっくんのことは忘れて二人でキャッキャと盛り上がってしまった。


「もうつわりはいいの?」


「はい! もうだいぶ」


「そう、よかった。あたしは楓のときつわりなんて経験してないのよー。だから分かってあげられないけど、他なら大丈夫よ。出産についても任せなさい❤」


「きゃあ頼もしいっ」


「うふふ。…あ、そうだわ。今日はお父さんがいるのよ」


「そうなの?」


そういえば…結婚前に一度会ったきりだわ。