「……」


「あたしはまおのほうが愛されてると思うぅ❤」


「あらやだそう見える?」


それはそれでいいかもぉ❤

うふふふふっ。


含み笑いを漏らしながら歩くあたしは、自分でも気持ち悪いなと思った。


「もう行っちゃうの?」


「ううん、かっくん家に寄ってくの」


「そっかぁ。義実家だものね」


「まね」


でも…大丈夫かしら。

あたしが行っても…。


「だぁいじょうぶ大丈夫! 藤峰家の威力はハンパないから」


「…どおいう意味」


「まっ、いってらっしゃい。今度こそしばらくさよならね」


「そうだねー…ウィーンに行っちゃうもの」


「赤ちゃん産まれたら、一度は絶対来なさいよね」


「もちろん」


頷いて笑いかけ、あたし達はりんりん達と別れた。


「じゃね!」


学校の校門を出る時、あたし達を見送っているのが三人だけじゃないことに気付いた。


「…みんなみてる」


「そりゃ気になるだろ」


「……そおかしら」