ちょっとだけ蓮くんの命を案じながら、またも唖然としている間に逃げるという雑な作戦に出た。


「ま、待って!」


「!」


わお。二回目はなし?


「ま……真裕ちゃん…?」


「…はい?」


「本物…?」


「…はい」


「妊娠…?」


「はい…」


「うそ…!」


「いいえ」


…なにこのマルバツクイズみたいなやりとり。


「まっ、そういうわけだからもう何も聞かんといてぇな」


「まあ…世界の藤峰相手にできる人がいれば、そりゃすればいいけどね❤」


「その場合色々覚悟しといたほうがいいよ。藤峰家の次期当主は恐ろしいからね」


「蓮くん…まお恐ろしくなんかないお」


「なに言ってるの。あからさまじゃないだけに恐ろしいんじゃないか」


「まあひどい。まおったら超優しいお母さんなのに(予定)」


もう頭のてっぺんから足のつま先まで愛に満ち溢れているのに。


「…そうか?」


「そうかってなによ。あなたへの愛ですよ」


超愛されてるでしょうに、自覚がないのかしら。