曲がり角を曲がるとそこには真裕。
陰には蓮二達が隠れているわけだが…。
「早く」
「きゃ❤恥ずかしい❤」
「……」
「…ちょっとした冗談じゃない。本気でキレなくても」
むっと唇をつき出しながらくっついてくる真裕のほうが、どちらかというと怒っている。
俺はちょっと呆れただけだ。
…あくまでちょっと。
「ここを曲がったわ!」
と、そこへ、連中が追い付いた。
「今よっ」
花梨の囁く声が聞こえ、かすかにため息を吐きながら真裕の体を抱きしめた。
「あ!」
「!?」
「か…」
「…大丈夫か?」
「うん…❤…あ、いや…ごほん。ちょっとくらくらするかなー…なんて…」
「そうか。じゃ帰るぞ」
「え…!?」
「か、楓様…?」
「あれ? あれ真緒ちゃんじゃない!?」
俺達に気付いたのを見てすぐに、わざと聞こえるように会話をした。
おかげで連中の勢いは止まり、戸惑いが見え始めた。
「うそ、真緒ちゃん!」
「なんで? 確かに二人仲が良かったけど…」
「そうよ。楓様は藤峰真裕と結婚したじゃない」
「そういえば真裕ちゃんはどうしたのかしら?」

