―――……


「いやーうまくいったねっ」


「…お前本当に顔に合わないことするな」


言い出しっぺのあなたが呆れ顔する資格はありませんわよ。

おほほっ。


「浸ってねぇで早く行くぞ。意味なくなる」


「はーい」


後ろを振り返ると、半ば無理やり追い出した三人が追われているのが辛うじて見えた。

みんなっ…! わたしのためにありがとう…!


ぱんっと両手を合わせてから、かっくんのあとに続いた。


「あとで迷惑こうむるのは俺だぞ…」


「まおが守ってあげようか❤」


むふふっと笑いながらかっくんの腕に手を回した。






―コンコン



「失礼しまーす」


すぐに辿り着いた理事長室とやら。

ノックをして入った。


「真裕ちゃん! 本当に無事で…! ああっ、よかったっっ!!」


「はい、無事ですぅ❤」


この理事長と担任とバイオリン科の担任だけは知ってるんだよね、あたしのこと。

おいおいと泣きながら喜んでくれた。


「あのーそれでお話が…」


「ん? ……あああっ!! ほ、星野くん!?!?」