「なにがどうかわいそうだって」
「忘れられてる」
「忘れてねーわよ」
ただ…! ほら…!
この子は母と一心同体っていうか…!?
ね…!!
「…そう思うと娘も可愛いわね」
「どう思ったんだよ」
うん…ほら、かっくんそっくり(ただし性格は真逆)な息子が絶対可愛いに決まってると思ってたけどさ。
よく考えたら、娘でも父に似れば美形なことに変わりないわ。
ただし性格は真逆でなきゃきっと将来嫁の貰い手がないだろうけど。
「どういう意味だコラ。そして質問の答えになってない」
「ま、どっちだろうが美形だろうが残念だろうがなんでもいいやっていうのが結論ってことで」
「残念て」
だって事実だわ。
例え性格がまんまかっくんだったとしても…!
それでも可愛い我が子に違いないから…!
まかり間違って父様のような方向性に行ったとしても…!
我が子なら可愛いもんだわ…!?
「俺に失礼だ。ものすごく」
きっぱり言い切るかっくんの口から父様について触れることがないのはさすがだと思った。
よく分かってるぅ。
「ああ…でもさっ。どっちでもいいとはいっても、分かりますよって言われたら気にならない!?」
「別…」
「こっそり聞いちゃおうかしら…」
「こっそりてお前…誰にこっそりだよ」

