――蓮二サイド――


「轟くんたらねえねえ!」

「聞いてるの?」

「ねえ轟くん!」


……ハア。


「…モテますなあんちゃん」


「変わってやろうか?」


「俺なんかとてもおこがましゅうて変われんわぁ」


…フッ。

頭にくる男だね。


「こめかみ…! こめかみぴくぴく…! すまん…!」



…帰国からわずか二日目にして、僕達三人はとても人気者だ。

学校に顔を出してみればこの有り様…。

暇人かと言いたくなるほどに、どこへ行っても人がついてくる。


それもこれも…。


「ねえ、楓様❤はどうしたの!?」

「依然行方不明ってテレビで言ってるけど、そうなの!?」

「まさか…! どうかなってるなんてこと…!!」

「それに真裕ちゃんは?」

「知り合いなんでしょーっ」


…あの二人のせいだ。


「ちょっと蓮二ー、なんとかしなさいよ」


「ハア…まったく、いちいち人騒がせなカップルだね…」


楓くんが無事なのはもう分かったし…公表したっていいんじゃないかと、面倒くささから思う。

だけどまだ入院してるわけだし、病院の場所が知れたら大変だ。

それに…新事実まで発覚したしね…。