「…そうね。
いじめられてないといえば、
嘘になるわね」
「…やっぱり。
誰にされてるの?」
「……まだ
転校してきたばっかりで
知らないでしょうけど
最近ずっと休んでいる子よ」
クラスに一つぽつんと
空席があったことを思い出した。
「でも、その子が
休んでいるときにも…」
「その子の、
取り巻きが私をいじめているの。」
沙羅の表情が少し曇った。
「…怖いわよね。
その取り巻きたちは
私に何の恨みもないのに」
あたしは返す言葉を失った。
「…大丈夫よ、
今日はあの人たちは来てないから。
あなたに誘われたときは
うれしかった。
また二人でも
遊びに行けたらいいと思ってる」
「そうだね!うん、遊びに行こう」
思いがけない誘いに、
思わず顔が綻んだ。
そして、
愛美も戻ってきて、その話も終わり
楽しい一日を過ごした。

