しかし、すべてのピンは 倒れず。 「あぁっ! 今の惜しかったっ!」 「あー、悔しい! んじゃスペア狙う!」 沙羅も結構うまくて ストライクも何度か 決めている。 何事も、 ソツなくこなす子―――。 そんなイメージがあたしの中で 出来上がっていった。 誰も、意地悪なことなんかしない。 あたしと愛美がいるから できないのか、 それともたまたま今日は 沙羅をいじめている人たちが 来ていないのか。 それはわからないけれど…。 「沙羅!…あのさ」