あぁ まっくらでなにもみえない。 見たくないの。 聞きたくないの。 一人、無の空間でぼーっとしていると、 突然私の鼓膜に、 「黙ってんじゃねーよ!」 と怒号が響いた。 私の腕に鋭い痛み。 たらり…と腕に嫌な感触。 これが、汗ならいいな… なんて心の中で呟いた。 「うわっ?!まだ無反応?キモッ!」 バタバタとかけてゆく女の子たちを 特に恨むこともなく 私はやはりズキズキと痛む腕を 見ようともせず 重い重い足を引きずるように 地獄へと私は精一杯進んだ。