「ありがとうございましたー」 授業終了のチャイムが鳴る。 立ち上がると同時に、 開け放した窓から なまぬるい風が吹き込んだ。 ふと、如月さんの方を見ると もういなくなっている。 「…まーゆ!」 「ん、愛美。暑いね…」 「なんでクーラーとか つけないんだろうね!?」 「本当だよね…」 その時、なまぬるい風に 乗ってきたかのように 耳に飛び込んできた言葉。 それは、今 一番聞きたくない言葉だった。