「そういえばさー、どうして敬語なの?」
「先輩なので…一応」
ワンテンポ遅れて
「…え、俺そんな老けて見える?」
「はっ?」
「いやー、そっか。うん、はぁーっ、なるほど…そっかそっか」
いやいや、1人でぶつぶつ言われても意味わからないんですけど…
「あの…、」
「いやー、ね…俺一応同い年
なんだけどさぁ」
先輩だと思っちゃってた訳?
落ち着いて見えたから
てっきり…
「そうだったんだ」
「うん、だから敬語なしね?」
「うん。わかった」
「あっ着いた」
「あっ…ありがとう」
「いいえ、じゃあ行くね」
「じゃあね」
少し寂しさがあった、もっと話したかったな…なんて柄にもないこと思って。
心臓がさっきから、うるさい。
ドキドキと速く音を立てて
顔も少し火照っている。
