しばらく身動きがとれずその狼と見つめ合っていた。

アキはあんぐりと口を開けっ放しにしている。


今思えば変な自分が存在している時点でおかしくはないわけだったのだが。



すると、鋭い息遣いでその狼の後ろから抱きつくなにかが。


いや、あれは人間か。


小さな少女が狼の背中に抱き付いていた。


「女…の子……??」