しばらく眠っていた時、
私の右の方でかすかな物音がした。

私はそれによって目を覚ました。


「………誰…?」

目を擦りながら右横を見ると、
都川くんが私を見つめながら座っていた。

私はびっくりして目を見開いた。


「とっ…ととと、都川くんっ?!」


私がイスの上で後ずさったのを見て、
都川くんは笑った。


「びっくりしすぎだろ。おはよ、由利さん。」

「あ、お、おはようございます……」

「なんで敬語なんだよ。」

都川くんはそう言ってまた笑った。