「なんか、俺、キモいよな。一回送ったことあるだけなのに、もう由利さんの家覚えてるなんてさ。」


都川くんはそう言って頭を掻いた。


「ううん。すごく助かったよ。ありがとう。」


都川くんには、助けてもらってばかりだ。
何度お礼しても、しきれないほどに。


「じゃあ、また学校でな。」

「う、うん。バイバイ…。」

私が手を振るのを確認してから、
都川くんは自分の家へと帰って行った。

私は、都川くんが見えなくなるまで、
ずっと都川くんを見つめていた。


なぜだかわからないけど、
都川くんの背中を見て、
少し寂しさを覚えたんだ。