都川くんは、泣き出す私の頭を優しく撫でてくれた。

「やっぱり由利さんはかわいい。俺にはもったいないよ。」

「なっ何言ってるの!私の方がもったいないよ!」

「いや、俺だね。」

「ううん、私!」


こんな無駄な言い合いを続け、二人で笑い合った。


「今日は、とりあえず紫頼に感謝だな。」

たしかに。

紫頼ちゃんが山下くんを連れて行かなかったらどうなってたか…。


「山下には焦ったよね。」

「うん。でも、山下くん好きだなぁ。」

「俺より?」


えっ!?

「い、意地悪だよ。都川くんが、一番だもん…。」

「一緒。小路が誰より好きだよ。」

「!!!」

「顔真っ赤。」


都川くんの手が私の頬に触れ、だんだんお互いの顔が近付く。


真っ赤に染まる教室で、初めてのキスを交わした。