――――うっ……
………う〜ん…―――
私が目覚めたのと同時に、頭までかけていた毛布が落ちる
急に視界が明るくなり目を細める
周りの明るさに目が慣れるまで
さほど時間はかからなかった。
それから直ぐ、自分が車の中にいるのに気付いた
あっ、そっか。
引っ越ししてたんだっけ。
見慣れない車内
引っ越しのトラック助手席で寝ていた。
トラックの微かな揺れと共に自分の体も揺れる
長時間座っていたせいか、少しお尻を痛く感じながらも
倒してシートを元に戻した。
『おっ、目ぇ覚めた?』
「あっ、はい」
トラックを運転している
引っ越しセンターの人が
一瞬 こちらを見て言う
『今 広島だからねぇ〜、あと 2時間ぐらいかなぁ〜』
「そうですか――…」
車内の時計を見ると、昼の12時すぎ
8時に福岡にある家を出発してから約4時間が経過していた
寝る前までは渋滞だった道も
今では車が減り、トラックは快調に高速道路を走る
まだ、ボーっとしながらも私は福岡の友達のことを思い出していた