もっと早く‥

幸大はそっと私を抱きしめてくれた。





「紗夢。お前がイヤじゃなかったら、俺んち来るか?」



「っ‥え?」



「…。」






私は幸大を見上げた。





「イヤか?」





私は首を横に振った。






兄から逃げられるなら、逃げたい。







どうなるかわからないけど‥。








逃げたい。