紗夢の兄が出て行った後、ヤスはニヤッと笑った。





「幸大が結婚ねぇ。」


「…。」




俺は片手で顔を覆った。





「紗夢オンリーの幸大が。」



「お前うるさい。終わったから帰れ。」



「お前人を散々こき使っておいてその言い草か?」



「フッ。サンキュ。」







ヤスは動揺し目を泳がせた。






「最初からそう言え。」



「で、俺の父さんのことだけど。」



「あぁ。俺の部下がもう保護してるはずだ。」



「なかなか仕事のできる部下がいるんだな。」



「まぁね。」





ヤスが弁護士で助かった。





このときばかりは感謝だな。