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学校に来ると玲美が私の席の前の席に座った。




「おはよ、紗夢。」





今日もにっこり笑顔。





「おはよ。」





私は無表情で返す。






明日からは夏休み。





クラス中が浮き足だっている。





私は憂鬱でならない。






兄が家を知ってしまった。







もう逃げられない。












このとき、これが最後の登校になるとは思ってもいなかった。