氷狼―コオリオオカミ―を探して

いくら友達でも男の子の背中に顔をつけるとは思えない。


兄弟?

あたしにお兄さんいたっけ?


ううん


兄弟ならチェイサーはキスしない

あたしだって、こんな気持ちにはならない


もどかしいほどあたしの記憶には空白があった。



馬は幹線道路からそれて、丘の方へ緩やかな坂道を駆けていく。


森林公園への道だ。


真冬の、しかも夜の森に向かう道には、さすがに人気(ひとけ)はない。

少し先に狐とイタチが見えた。


チェイサーは手綱を引いて馬の速度を緩めた。