海へ行こう!

あなたがずっと見ることができなかった夏の海へ

あなたの瞳の色を見に


親達にはブツブツ小言を言われたけれど、夏休みの一日だけ、あたし達は海へ行った。


子供に戻ったようにはしゃいでいて、不意に翔くんが『中学の時もお前と一度来たよな』と言った。


「そうだっけ?」


あたしはとぼけた。


翔くんの記憶は、そうであってほしいという望みなのかもしれないと思った。


「遥」


「何?」


「俺達って付き合ってるのか?」


「そうだよ」