「離れるんじゃないの。あたし達は一緒に新しい思い出を作ろう」


翔くんが、あたしを女の子として見る事はないかもしれない。

それでも、あたしは彼が誰かに恋するまでは一緒にいてあげたい。


「一緒に?」


「一緒にだよ」


あたし達は先に進もう

大丈夫

大切な思い出は、あたしが全部覚えているから


いつかあたし達が別々の道を歩く事があっても

あなたを愛してる




春の強い風が吹いて


桜の花びらが風に舞って


まるでピンク色の雪のように、あたし達の上に降り注いだ。