氷狼―コオリオオカミ―を探して

一度、担任と部活の顧問の先生がお見舞いに来てくれたけれど、あたしの様子を見て、焦らずにゆっくり休んだ方がいいと言った。


よっぽどひどい顔してたんだろうな


なかなか具合がよくならないのは、チェイサーが入れた冷気が抜け切らないせいだと思う。


冷気が抜けるのにつれて、あたしの記憶も消えていくのだろうか。



何事もないまま日々が過ぎていく。



「冬も抜けたみたいよ。少し寒さも緩んだわね」

窓の外を見ながらママが言った。


そりゃそうよ

あたしがあんなでかい氷狼を仕留めたんだから


白魔達は今頃どこで狩りをしているのだろうか


あたしの記憶は消えない。

それは嬉しいことでもあり、つらいことでもある。


全てを眠らせる、ゆりかごのような<冬>を抜け、あたしは少しだけ大人になった気がした。