「そうだなぁ――」

あたしは少しだけ考えて言った。

「やっぱり人間に戻りたいかな」


できることなら、人間に戻ってチェイサーの側にいたい

愛しい人の側で、今度こそ傷つきやすい心を抱きしめてあげたい

幼い子供じゃない今なら、それができるのに


――やだ、また涙が溢れてきた

しっかりしなさい!

泣かないって決めたでしょ?

あたしの代わりに、きっと彼を幸せにしてくれる人がいるはずだよ


「どうしてそんな事きくの?」


イタチは言うか言うまいか迷っているようだった。


「なによ。言いなさいよ」


「その……トムボーイ、あなたの髪の色が……まだ黒いままなのだよ」


はぁ?