氷狼―コオリオオカミ―を探して

「妖魔の馬は乗り手を振り落としたりしないってチェイサーが言ったよ」


「馬はね。オイラは、あんたが自分で転げ落ちるんじゃないかって心配してるんだよ」


「ああ……それはあるかもね」


狐が口を閉じた。

それから首を振り、憐れむように言った。


「前のあんたなら怒ってくるところだよ。無理しちゃって……」


「無理なんかじゃないよ。あたしはこの十年間、チェイサーなしでやってきたんだから」


「記憶がなかったからさ」


「そうなんだよね」

あたしは引きずらないように毛皮のマントの裾を持ち上げた。

「でもね、あたしは後悔してない」


イタチが微笑んだ。

「そのマントを着るつもりなら、丈を詰めなくてはな」