自分では叫んだつもりだったのに 体から出た声はか細くて今にも消えそうなくらいの小さな声。 それでもアナタは振り向いてくれた。 急いで近づく。 『これ、ね…田中君の連絡帳を田中君の家に届けてほしいんだ!』 今度は元気よく言えた! そう思った瞬間、ユウちゃんは優しく私の手から連絡帳を受け取った。 『わかったよ♪』 ……って一言だけ言って。 あのとき…たった一言だったけど 私に笑顔を向けてくれてありがとう