………私の、少し前を歩く 誠也の背中をじっと見詰めていた。 今日は、手を繋いでくれてる。 最後の夜に彼が見せる優しさ…。 温かい手のぬくもりに 涙が零れそうになる。 だけど、泣かない。 最後まで笑って、彼とサヨナラするの。 それが今の私に出来る 最後のつぐないだから。 「美沙、買ってあげようか」 ふと立ち止まった彼が 優しく訊ねてくる。 見ると歩道の隅に広げられた アクセサリーの露店が私達の隣にある。