―――「結婚するよ、朋恵と。
君とはもう、会わない。
今まで、ごめんな」
…翌日の夕方。
美沙にいつものオープンカフェで
俺は静かに告げた。
彼女は俯いて、
黙って俺の話を聞いていた。
しばらくして美沙がゆっくりと
顔を上げる。
「…そう。
おめでとう。…幸せに、なってね」
そう言って、彼女は
にこりと笑った。
「じゃあ、私、これで」
立ち上がった美沙の手を
俺は掴んで、キュッと握りながら
彼女の瞳を見上げた。
「誠也…?」
ゆらゆらと潤んで光る大きな瞳。
可愛くて、夢中で、大好きな
俺だけのものだった、美沙。
離れたくない。
…いつまでも、君を見詰めていたい。
今すぐに、
抱き締めて
キスをして
その髪に触れながら
愛している、と伝えたい。

