ふと、携帯が鳴る。 ……朋恵か。 『誠也、もう帰る? 今まで部屋で待っていたけど 遅いから私、もう帰るわ。 美沙ちゃんによろしくね 朋恵』 …朋恵は、俺と同じ弁護士事務所の同期だ。 好きだと言われるがままに 付き合って一年になる。 美沙を忘れられない自分が嫌になっていた。 朋恵が忘れさせてくれるのでは、 と期待したが、心の中の 美沙の存在は 朋恵と付き合ってからも ますます大きくなっていった。