「…何処へ、行くの?」 「誕生日、だろ?今日」 驚いた。 まさか覚えていたなんて、思わなかった。 …あの日から三度目の誕生日、一度も何も言わなかったくせに。 「咲空」 名前を呼んまま口を閉じあたしを見つめる。 この人は、おめでとうなんて、絶対に言わない。 分かってて敢えて、言わないんだ。