名前を呼ばれ、ゆっくりと振り返える。 「…ナツメ」 「随分と、早いんだな」 右手にはタバコ、左手には花束を持ったナツメがゆっくり近づいてくる。 スッとしゃがみ込み、手を合わせて目を瞑る。 ナツメは今、何を想っているんだろう。 その横顔からは何も読みとれなかった。