―あんたの名前、すごく綺麗で、良い名前じゃん――



□□□□□

今朝は、懐かしい夢をみた。それは高校の入学式の日の記憶で、あたしにとって大切で、愛しいもの。


そんな夢をみたものだから、朝から少しだけ寂しくなってしまった。


月日はあっという間に過ぎ去ってしまう。


あの頃は、【始まり】ばかりと見つめ合っていて、いつか必ず来る【終わり】のことなんて、考えもしなかったのに。


それでも、幾つもの季節を越えて、また【始まり】と同じ春を迎えた。


あたしは明日、卒業する。