「チィちゃん!!!」
大きな声に、目の前が明るくなる。
ほんのり、月明かりの明るさだけど。
「どうしたの!?急に止まるし」
私より、頭ひとつ分背の高いハギ。
見上げてた顔が、まん前に降りて来て、覗き込む。
その顔は、寂しそうに笑った。
「海が持っていってくれるから。嫌な事、全部」
また、ゆっくり歩き出す。
その先の空が、少しだけオレンジ色。
「もうすぐ、朝だね」
「うん。チィちゃん、ちゃんと海に連れてかせなきゃ。早く!」
「え?」
「嫌な事連れてくのは、夜の海担当なんだよ。昼の海は楽しい事を連れてくるんだから」
早く、早くと急かすハギ。
オレンジ色は、どんどん幅を増やしていく。
「本当に?本当に、連れてってくれるかな?」
ハギが、ニカッと笑った。
「俺を信じなさい」
波の音が大きくなる。
「信じて・・・みようかな?」
「やっと笑ったぁ!」
その場に座り込む、ハギ。
その隣に座って、目を閉じる。
イヤナコト全部、連れて行ってもらうために。
私の中から消えてくれないイヤナコトを、追い出すために、目を閉じた。
ハギが、ポンポンと頭を撫でてくれた。
大きな声に、目の前が明るくなる。
ほんのり、月明かりの明るさだけど。
「どうしたの!?急に止まるし」
私より、頭ひとつ分背の高いハギ。
見上げてた顔が、まん前に降りて来て、覗き込む。
その顔は、寂しそうに笑った。
「海が持っていってくれるから。嫌な事、全部」
また、ゆっくり歩き出す。
その先の空が、少しだけオレンジ色。
「もうすぐ、朝だね」
「うん。チィちゃん、ちゃんと海に連れてかせなきゃ。早く!」
「え?」
「嫌な事連れてくのは、夜の海担当なんだよ。昼の海は楽しい事を連れてくるんだから」
早く、早くと急かすハギ。
オレンジ色は、どんどん幅を増やしていく。
「本当に?本当に、連れてってくれるかな?」
ハギが、ニカッと笑った。
「俺を信じなさい」
波の音が大きくなる。
「信じて・・・みようかな?」
「やっと笑ったぁ!」
その場に座り込む、ハギ。
その隣に座って、目を閉じる。
イヤナコト全部、連れて行ってもらうために。
私の中から消えてくれないイヤナコトを、追い出すために、目を閉じた。
ハギが、ポンポンと頭を撫でてくれた。


