「夜の海って、なんか怖いよね。吸い込まれちゃう気がする」
手を繋いだまま、ゆっくり波打ち際を歩く。
真っ暗な海。
大きな満月が波を照らし、キラキラ光っている。
目が慣れてくると、だいぶ周りが見えてきた。
「そだね」
さっきまでとは別人みたいに、言葉少ないハギ。
「吸い込まれちゃう・・・か。チィちゃんが吸い込まれないように、ちゃんと掴んでおかなきゃぁ!」
ギュッと握られた手に、全身の神経が集中。
もぅ、どうしちゃったんだろう。
さっきも二人きりだ♪なんて思っちゃったし。
「でも、嫌な事だけ吸い込んでくれるといいのになぁ・・・」
ハギの言葉に、思わず足が止まった。
イヤナコト。
「チィちゃん?」
ドキドキが止まった。
心地よかった波の音も、聞こえない。
心の奥に閉まった、イヤナコト。
忘れてた。
忘れたフリをしていた。
そうなんだ。
イヤナコトって、消えないんだ。
手を繋いだまま、ゆっくり波打ち際を歩く。
真っ暗な海。
大きな満月が波を照らし、キラキラ光っている。
目が慣れてくると、だいぶ周りが見えてきた。
「そだね」
さっきまでとは別人みたいに、言葉少ないハギ。
「吸い込まれちゃう・・・か。チィちゃんが吸い込まれないように、ちゃんと掴んでおかなきゃぁ!」
ギュッと握られた手に、全身の神経が集中。
もぅ、どうしちゃったんだろう。
さっきも二人きりだ♪なんて思っちゃったし。
「でも、嫌な事だけ吸い込んでくれるといいのになぁ・・・」
ハギの言葉に、思わず足が止まった。
イヤナコト。
「チィちゃん?」
ドキドキが止まった。
心地よかった波の音も、聞こえない。
心の奥に閉まった、イヤナコト。
忘れてた。
忘れたフリをしていた。
そうなんだ。
イヤナコトって、消えないんだ。


