☆恋愛革命☆ずっと一緒に居たいヒト

「夜の海って、なんか怖いよね。吸い込まれちゃう気がする」

手を繋いだまま、ゆっくり波打ち際を歩く。

真っ暗な海。

大きな満月が波を照らし、キラキラ光っている。

目が慣れてくると、だいぶ周りが見えてきた。

「そだね」

さっきまでとは別人みたいに、言葉少ないハギ。

「吸い込まれちゃう・・・か。チィちゃんが吸い込まれないように、ちゃんと掴んでおかなきゃぁ!」

ギュッと握られた手に、全身の神経が集中。

もぅ、どうしちゃったんだろう。

さっきも二人きりだ♪なんて思っちゃったし。

「でも、嫌な事だけ吸い込んでくれるといいのになぁ・・・」

ハギの言葉に、思わず足が止まった。

イヤナコト。

「チィちゃん?」

ドキドキが止まった。

心地よかった波の音も、聞こえない。

心の奥に閉まった、イヤナコト。

忘れてた。

忘れたフリをしていた。

そうなんだ。

イヤナコトって、消えないんだ。