僕は木芽にいくつか約束事をさせた
僕の部屋には決して入らない、騒がない、暴れない、走らないなど
木芽はそこまで馬鹿ではないようで、言いつけたことはきちんと守っていた
よく考えると犬の躾のようだと頭によぎったが、気にしない
木芽は初めての城の住人だった
しかしそれを僕は望んでいなかったため、僕は木芽に何かをするつもりはなかった
なのに木芽は約束事を破らない程度に関わってくる
廊下を歩いていれば抱きついて、書庫で本を読んでいれば頭を撫でてくる
暇があれば僕に話しかけてくる
正直、邪魔で仕方ない
病弱には到底見えない
食後にこっそりと薬を飲んでいるのを見たことがあるからそうなのかもしれないけれど、だとしてもおとなしくはなってくれないようだ
僕はそうなった原因の自身の母親に心の中だけで恨み言を聞かせていた。


