「明日、いつもみたいに迎えに来て欲しい。」
言った瞬間にもとよりあったその羞恥は何倍にも膨れ上がった
顔が暑い
絶対に赤くなっている顔に片手を当て隠した
誰に見られているわけでもないのに
しばらく沈黙しか返ってこない事が、それを助長する
「…それって、学校に行く気になったって事?」
どう考えてもそうだろうに、わざわざ返ってきた問いに肯定を返す
「…どういう心境の変化かは分からないけど、了解したわ。明日も迎えに行く。というより、誉君が慣れるまで行く。まあ、頼まれなくても行くつもりだったけどね。」
そうだろうなとは思っていたが、電話した
少しだけ、いや少しずつ扉を開いてみようと思う
きっと高い自尊心のせいで上手くはいかないと思う
それでも、頑張ってみようと思うのだ
少し会話をした後、電話を切った
そして思わず座り込む
たった一回の電話でかなりの疲れに襲われた気がした