扉を開けて


「バケツもう一つ水入れておこうか。水道は面倒くさいから池でもいい?」

そう言いながらバケツを手に取る木芽を見て、咄嗟に僕がやると口から出た
自分でも驚いたが、同じように驚いている木芽からバケツを奪うように取り、池に近づく

非常に不本意ではあるが、こうして花火をしている今を楽しいと思っているのだ
そのため、恩返しというのだろうか、せめてこのくらいはと思ったのかもしれない

僕は池の水にバケツを沈め、それを持ち上げた
しかしそれは予想外に重く、運動が出来るわけではない僕は派手にバランスを崩した

池に落ちると思い、目を強く瞑った
しかし、後からの強い力で引き止められ、予想していた冷たさは来なかった

「うわ、ぎりぎりセーフ。」

木芽のテノールの声が聞こえ、僕は目を開けた
木芽は僕の腹に手を回し、着水を防いでくれたらしい
そのまま地面にきちんと足をつけた僕は恥ずかしかったがきちんと木芽にお礼を言った

今なら僕羞恥で爆発できる気がする。