息が整ってきた頃にゆっくり周りを見回したが、木芽の姿はなかった
追ってこなかったようで、ほっと肩を下ろす
同時に自己嫌悪と後悔に襲われる
逃げたのは認めたくなかったから
自分の高い自尊心が嫌になる
もしあそこで“寂しかった”と言っていたらどうなっていたのだろう
優しい木芽のことだ
きっと僕を今まで以上に可愛がるだろう
そう木芽が僕にする、構うという行動が本当は可愛がると言うのだと本当は知っている
隠し事をしていました
傷つくのが嫌でした
こんな嫌な性格をしている僕だ
木芽もいつか嫌気がさしていなくなるだろう
その時、僕が木芽を信頼していたらどうなる
僕はきっと立ち直れない
本当は分かっている
僕は周りを蔑んで関わろうとしないのではなく、怖いからなのだと
その考えを箱に詰めて蓋をした
そして、この僕がなんて無様な格好なのだろうと考える
動揺したとはいえ、あの木芽から逃げるなんて
年上とは思えないような幼稚な言動をする奴に、この僕が何をしているのか
先ほどの考えなどなかったかのように、木芽を蔑みながら部屋へと戻った


