50センチ先の君に伝えたいこと


「…あは。ごめんね!」

適当に笑って誤魔化そうとすると

佐伯は深いため息をついた。

…あ、あたしのせいだあ~~!!

「あっ、じゃあ…日向くん……?バイバイ!」


八崎くんは却下だったし日向くんでいいよね!

勝手に自己決定してあたしは佐伯と一緒に

職員室へ向かった。



もうほとんどの生徒は部活か下校をしていて

校舎は静かだった。


「そういえばさ相原って
日向と仲良かったっけ?」

「えっ?…んー、仲良いっていうか…
まあ今日初めて喋ったし」

「そうなんだ。
なんか意外な組み合わせ」

と佐伯は少し笑った。


「意外って何さ…
…っていうか佐伯だって日向くんと名前で呼ぶ仲なの?」