~プロローグ~

毎日同じことの繰り返しで

起きて、学校に行って、なんとなく過ごしてた...

いつの間にか感情というものさえ忘れていた

でもそんなあたしを救ってくれたのは君だったよ...



4月。桜がまい散る通学路

雲1つない青空の日

あたし南雲梨音は珠樹高校の2年生になった。

基本あたしは春が嫌い

みんながうきうきしてる中

1人なんだか切なくなって

心臓がきゅっって苦しくなる

なんでこんな気持ちになるのかわかんなかったけど

とにかく春というものが嫌いだった

降りかかる桜の花びらから逃げるように

あたしは学校へ足をはやめた

「なんで新学期とかあんのかなぁ」

1人でぐちぐち言いながら歩いていると

「りねー」とあたしを呼ぶ声が

振り返ると奈美華が手を振りながら

こっちへ走ってくる

奈美華は中学からの付き合いで

家も近所の大親友

ちっちゃくて

目がくりくりしてる子犬みたいに可愛い子

「なみか。おはよ」

「おはよ」

かわいらしい笑顔でなみかが言う

ほんとに癒される

あたしたちはならんで歩き出した

「クラス替えやだなぁー」

落ちてくる花びらを

捕らえようとしながら

なみかが言った。

「ほんとだねー」

なみかは同じクラスに彼氏がいる

離れたくないだけだ。