彼×××彼女




「日照りキツイしね、こっちは…相田は女子だし、涼しい方がいいでしょ」


小声でボソリと呟く黒川に、改めて有難うを言う。



「気にすんな!俺が勝手にやったことだし」


「前の傘の時もだけど…黒川って優しいよね」


「優しさの塊で出来てるからね」


「それは調子のりすぎ」



子供っぽく笑う黒川の、ほんのり赤く色づいた耳元に気づく。


どうやら照れてるらしい。


それが可愛くて、可愛くて…つい笑ってしまった。