彼×××彼女




煮え切らない私に、繭はそれ以上は何も言わなかった。


ただ帰り際に
ため息まじりに呟いてきかせた。



「希は臆病なとこあるからね〜」



この言葉が、案外つきささる。



私はいつだってそうだ。
特に人間関係については臆病になる。


感情に壁をつくり、どこかで自分を繋ぎとめてしまうのだ。


これ以上関われば傷つくかもしれないからやめとこうとか


好きになったら傷つくからこの辺でとめとこうとか


そんなリミッターを備えて自分を守ってる。