「はい。良いです」

「そうか…」


サッパリ言い切る黒川とは対象的に、先生はまだ何か言いたげだった。


黒川はなんて書いたのだろう。ぼんやり見つめていると、黒川がその視線に気付いたのか、私を見つめ返した。


慌て、視線をそらす。


「そんな悩まなくても、来年だってまた、かくんだから」


自分に投げつけられた。耳打ち程度の呟き。